Azure CLI 2.0 から手作業でVMを作る
ググると古い情報がヒットしたりしていまいち探しづらい気がしたのでまとめてみました。
イメージの元にするような用途を想定して、パブリックIPアドレスが1つだけ付いてsshができるLinux仮想マシンを立ち上げるところまで。ポータル上から使える Azure Cloud Shell から Azure CLI 2.0 を使います。
Azure Cloud Shell の使い方はこちらから。
ワンライナーで簡単に作るにはこちらの手順をどうぞ。
テンプレ用であればこのワンライナーでも事足りるのですが、今回は動作を理解することも兼ねているのと「名前を付けられるものには付けておきたいよね」ということで、暖かみを感じられる手組でやってみましょう。
サブスクリプションの選択
(2017/08/01 追記)
複数のサブスクリプションを扱っている場合には明示的に指定した方が間違いが無いですね。
# 利用可能なサブスクリプションの一覧を見る az account list -o table # サブスクリプションを選択する az account set --subscription [Subscription Id]
(追記ここまで)
リソースグループの作成
az group create --name [リソースグループ名] --location [ロケーション]
既存のリソースグループを使う場合には不要です。
ロケーションの指定は、特に何も無ければjapaneastかjapanwestあたりで構わないかと思います。ロケーション一覧の取得方法は末尾に。
リソースグループのロケーションと中に入れるリソースのロケーションを別にすることもできますが、見た目としても分かりづらいですし、JSONのテンプレートからデプロイするようなときには「リソースグループと同じ場所」という指定をすることも多いので、できるだけ揃えた方が良いと思います。
仮想ネットワークの作成
シンプルにサブネットが1つだけある仮想ネットワークを作ります。
az network vnet create --name [仮想ネットワーク名] --resource-group [リソースグループ名] --location [ロケーション] --address-prefix [仮想ネットワークのアドレス帯/マスク] --subnet-name [サブネット名] --subnet-prefix [サブネットのアドレス帯/マスク] (例) az network vnet create --name myVnet --resource-group myRg --location japaneast --address-prefix 192.168.0.0/16 --subnet-name subnet1 --subnet-prefix 192.168.1.0/24
パブリックIPアドレスの作成
クラシック仮想マシンの時代はIPアドレスを確保する方法や割り当て状況によって料金が違っていたのですが、いまは確保する毎に一律で料金がかかるようなので、オプションはお好みで指定して大丈夫です。
az network public-ip create --name [IPアドレス名] --resource-group [リソースグループ名] --location [ロケーション] --allocation-method [割り当て方法(動的/静的)] --dns-name [DNS名] (例) az network public-ip create --name myPip --resource-group myRg --location japaneast --allocation-method static --dns-name myVm1
セキュリティグループとルールの作成
1行目でセキュリティグループを作成して、2行目でルールを設定しています。
例ではssh用にインバウンドの22番ポートを開放しています。
az network nsg create --name [セキュリティグループ名] --resource-group [リソースグループ名] --location [ロケーション] az network nsg rule create --name [ルール名] --nsg-name [セキュリティグループ名] --resource-group [リソースグループ名] --access [Allow/Deny] --protocol [Tcp/Udp] --direction [Inbound/Outbound] --priority 1000 --source-address-prefix [Internet/発信元アドレス] --source-port-range ["*"/発信元ポート] --destination-address-prefix ["*"/宛先アドレス] --destination-port-range ["*"/宛先ポート] (例) az network nsg create --name myNsg --resource-group myRg --location japaneast az network nsg rule create --name ssh --nsg-name myNsg --resource-group myRg --access allow --protocol Tcp --direction Inbound --priority 1000 --source-address-prefix Internet --source-port-range "*" --destination-address-prefix "*" --destination-port-range 22
NICの作成と仮想ネットワークへの接続、セキュリティグループやIPアドレスの割り当て
今まで作ったものをまとめてくっつけながらNICを生成します。
プライベートIPアドレスは、オプションを指定しなければ動的になります。ここも費用には関係しませんのでお好みで(どちらも無料)。
本番用だと、LBへの接続もここで行います。
az network nic create --name [NIC名] --resource-group [リソースグループ名] --vnet-name [NICを接続する] --subnet [サブネット名] --network-security-group [セキュリティグループ名] --public-ip-address [IPアドレス名] --private-ip-address [プライベートIPアドレス(固定する場合)] (例) az network nic create --name myNic --resource-group myRg --vnet-name myVnet --subnet subnet1 --network-security-group myNsg --public-ip-address myPip --private-ip-address 192.168.1.5
仮想マシンの作成
ここまでに作ったリソースを元にして仮想マシンを作成します。
この例ではAzure側で用意されているイメージから作っています。イメージ名には自作イメージも指定できます。
デフォルトで Managed Disks で作られます。オプションで明示的に指定するとUnmanaged Disksで作れますが、Managed Disksに流行って欲しいのでそちらは割愛。
az vm create --name [仮想マシン名] --resource-group [リソースグループ名] --location [ロケーション] --image [イメージ名] --size [仮想マシンのサイズ] --nics [NIC名] --admin-username [OSユーザー名] --admin-password [OSパスワード] az vm create --name myVm1 --resource-group myRg --location japaneast --image UbuntuLTS --size Standard_DS1 --nics myNic --admin-username adminuser --admin-password admin.password
あとは完成までしばらくお待ち下さい。Linuxであれば1~2分程度でデプロイ完了です。
パスワードでは無く公開鍵認証を行う場合は「–admin-password」の代わりに「–ssh-key-value ~/.ssh/id_rsa.pub」のように公開鍵を指定して下さい。
おまけ: 各種一覧の取得方法
仮想マシンサイズの一覧はこんな感じで取得出来ます。ロケーションの指定は必須です。
az vm list-sizes --location japaneast -o table
使えるイメージの一覧はこんな感じで取得出来ます。
# ざっくり新しめのイメージを表示 az vm image list -o table # 利用可能な全てのイメージを表示 ※非常に時間がかかります az vm image list --all -o table # パブリッシャーがマイクロソフトの東日本にあるUbuntuのイメージ全て az vm image list --offer Ubuntu --all --location japaneast --publisher Microsoft -o table
使えるロケーション一覧の取得はこちらから。カレントのサブスクリプションで利用できるロケーションの一覧が表示されます。
az account list-locations -o table
今回は割愛しますが、オリジナルイメージの作り方はこちら。 https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/linux/capture-image